『光と余白を編む家』

南北に細長い敷地。南道路でありながら、周囲は住宅に囲まれている。
この条件の中で求められたのは、家族がどこにいてもつながりを感じられること。

玄関は奥へと引き込み、アプローチの先に開ける中庭を中心に据えた。外からの視線を遮りつつ、内部にはひらける。リビングは北側に伸び、中庭と吹抜けから届く光と風を受け止める。庇と2階のバランスが西陽をやわらげ、やさしい明るさを日常に届ける。

共働きの夫婦が仕事をしながら子育てをし、友人を招いて食卓を囲む。そんな時間の中心になるのは正方形のキッチン。二人で料理を楽しみ、仲間と集い、お酒を酌み交わす。キッチンからリビング、中庭の外リビングへと視線と動きがつながり、暮らしはひと続きの場となる。

趣味の道具は玄関まわりに収め、いつでも外へと出かけられるように。アウトドアも日常も、切り離さずに暮らしの一部として編み込む。

光と余白を重ね合わせ、家族の未来をやわらかく包む住まいとなった。