『光廻廊の家』
Design by Takanobu Kishimoto
【光廻廊の家】
一般的な住宅の概念を逸脱し、新たな設計思想をもとに創り出された「光廻廊の家」。その名の通り、外部から建物の終わりまで続く廻廊が特徴で、北向きの道路に面した長細な敷地が独特の空間演出を可能にする。
お施主様から寄せられた要望は一風変わっており、窓は不要、部屋数は最低限、ダイニングテーブルも不要という。一見、快適な生活空間の創出が難しそうな要望だが、「光廻廊の家」はそれを見事に実現した。
廻廊部分は上部から光を取り入れ、それを壁に反射させて室内全体に光を柔らかく拡散する。各居室は廻廊から派生し、一見混在しているかのように見える配置だが、実はそれぞれが織り成す美しい調和と広がりを生み出す。
無駄を削ぎ落としたシンプルな設計だが、必要なもの全てが巧みに配置されている。その結果、光が溢れ、空間が広がり、何よりも心地良い空間が創り出されている。この「光廻廊の家」こそ、建築家の創造性と斬新な発想、そしてお施主様の個性が融合。
一見不可能に思えた要望を可能にした「光廻廊の家」。その空間構成と設計思想は、建築の可能性を提示する家となった。
Detail
構造 | 木造平家建 |
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敷地面積 | 166.67㎡ |
延べ床面積 | 1F:83.93㎡ |
建築面積 | 83.93㎡ |
床 | タイル(床暖対応) |
外壁 | STO塗り壁 |
撮影 | 冨田英次 |